海外FX

ハイレバレッジの代償?海外FX税金が高い

国内FXは最大でもレバレッジは25倍となっていますが、その一方、海外FXでは~3000倍といった高いレバレッジをかけられるところもあり、ハイリスクハイリターンになりがちです。

このように、海外FXでは大きな利益が見込める可能性がある反面、利益が出た後の税金が高くなることも頭に入れておかなければ、利益の大半を税金に取られてしまうことになります。そこで今回は海外FXの税金が高い理由を知り、どうやって税金を安くするか、節税におけるポイントをまとめてみました。

海外FXの税金が高いと思われている本当の理由

皆さんは、海外FX=税金が高いというイメージを持っているのではないでしょうか?
その理由として、海外FX業者は日本政府による金融商品取引業者の認可を受けていないため、申告分離課税ではなく総合課税が適用されるためです。そのため海外FXでの取引による利益が増えるほど税金は高くなります。特に海外FXではハイレバレッジをかけることによって得られる利益も大きくなりがちです。ところが、国内FXの場合は金融商品取引業者の認可を受けているため、申告分離課税が適用されます。

税率

国内FXの税率
申告分離課税:一律20.315%(所得税+復興特別所得税+住民税)

海外FXの税率
総合課税:5%~45%(+住民税+復興特別所得税)

このように海外FXと国内FXにおける税金の仕組みは異なります。海外FXが初心者の場合は、利益が大きく出た際に多額な税金を目の当たりにして痛い目にあうこともあり得ます。ですから、海外FXにかかる税金については取引断簡よりしっかり勉強しておくことが必要です。

海外FXの税金が高いのでは?税金が気になるのはどんなケース?

海外FXにおいて利益が330万円以下の場合、国内FXでの課税額とあまり変わらないのでそこまで心配はいりません。一方、利益が330万円以上になると、課税税率は20%となり住民税10%と復興特別所得税2.1%を合わせると30%以上の税率になってしまいます。
また、海外FXの利益が195万円以下の場合、課税税率は5%で住民税10%と復興特別所得税2.1%を合わせると17.1%にしかなりません。そのため国内FXよりも安いと感じるかもしれません。

海外FXなのに確定申告は必要?

海外FXではそもそも確定申告は必要なのでしょうか?国内FXと違って海外FXでは確定申告は不要なんじゃないの?と思っている方もいるかもしれません。

しかし海外FXであっても日本国内に在住している限り納税・確定申告は必要になります。海外FXだからといって気づかないだろうというのは甘い考え。税務署や国税庁は海外FXにも常に目を光らせていると思ったほうがよいでしょう。ですから、脱税は1円からでもほぼばれていると思ってください。またもし脱税がばれたとしたら、追徴課税が課せられることになります。

海外FXで脱税がばれてしまう理由は2つあります。
まず1つ目ですが、海外FX利用時の資金の流れはすべて記録されているということです。
海外FXの入出金における資金の流れは

・オンライン決済サービスでの入出金記録
・銀行経由の海外送金記録
・クレジットカード等における入出金記録

などの決済サービスや金融機関の入出金記録のデータから把握することが簡単にできてしまいます。そのため、万が一税務署による調査が入ってしまうとすぐにばれてしまうのです。

2つ目ですが、銀行や金融機関が税務署に提出する「国外送金等調書」によっても把握が可能であるということです。
この国外送金等調書ですが、銀行やクレジットカード会社は、以下のような場合には「内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律」による法定義務により、税務署への提出が必須とされています。
この国外送金等調書には、送金者や受領者、本人口座番号、取次金融機関、金額、送金目的などが記載されていますので、脱税をしたとしても国外送金等調書の情報からばれることになります。

国外送金等調書の提出に該当するもの

・入金する目的で100万円を超える海外送金を海外FX業者に対し行う場合
・出金する目的で海外FX業者から海外送金により100万円を超える金額を受け取る場合

仮に100万円以下だったとしても金融機関は個人情報を把握しているので、国外送金等調書からでなくても税務署の調査は可能だと思っておきましょう。

海外FXはどのくらいの利益が出たら確定申告が必要?

海外FXでは給与収入がある場合は20万円以上、海外FXが本業でそれ以外の収入がない場合は38万円以上の利益があれば確定申告が必要になります。
一方、海外FXでは他の所得との損益通算や損失の繰越控除も認められておらず、年間の海外FXによる所得が損失だった場合は確定申告が不要となります。

ここではどんな税金がかかってくるのか、いつ税金を支払う必要があるのか、といったことについて紹介していきます。

海外FXは雑所得に分類される

海外FXの取引で得た利益には所得税がかかりますが。この場合の利益は、「雑所得」という項目に分類されます。雑所得とは、事業所得や不動産所得など10種類に分類されたものの中でもどれにも当てはまらない所得のことです。

利子所得 預貯金や公社債の利子や合同運用信託、公社債投資信託および公募公社債等運用投資信託の収益分配に係る所得
配当所得 株主や出資者が法人より授受する配当や、投資信託(公社債投資信託および公募公社債等運用投資信託以外のもの)および特定受益証券発行信託の収益分配などに係る所得
不動産所得 土地や建物などの不動産、借地権など不動産の上に存する権利、船舶や航空機の貸付け(地上権又は永小作権の設定その他他人に不動産等を使用させることを含む)による所得(事業所得又は譲渡所得に該当するものを除く)
事業所得 農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業から生ずる所得
給与所得 勤務先から受ける給料、賞与などの所得
退職所得 退職により勤務先から受ける退職手当や厚生年金基金等の加入員の退職に基因して支払われる厚生年金保険法に基づく一時金などの所得
山林所得 山林を伐採して譲渡したり、立木のままで譲渡したりすることによって生ずる所得。ただし山林を取得してから5年以内に伐採又は譲渡した場合、山林所得ではなく事業所得また雑所得扱い
譲渡所得 土地、建物、ゴルフ会員権などの資産を譲渡することによって生ずる所得、建物等の所有目的とする地上権などの設定による所得
一時所得 営利を目的以外の所得、労務その他の役務の対価としての性質や資産譲渡による対価としての性質を持たない一時所得。損害保険の満期返戻金など
雑所得 上記の所得のいずれにも該当しない所得。公的年金、非営業用賃金の利子など

所得に対してかかる税金は課税所得金額によって異なってきますが、これは収入金額から必要経費を差し引いたものです。ここでいう必要経費とは、海外FXにおける取引で利益を得ることにのみ必要なものとされます。

税率は5%~45%の7つに区分されますが、雑所得は給与所得など総合課税※1の対象となりますので、他の所得との合算金額で税額計算が可能となります。課税される所得金額(千円未満の端数を切り捨てた後の金額)による所得税額は下記の速算表を用いることで簡単に算定できますので参考にしてみてください。

※1総合課税は、給与所得等の他の所得と合算した課税所得に対し、所得税率をかけ合わせて税額を算出する課税方式
課税される所得金額 税率
195万円以下 5%(控除額0円)
195万円を超え330万円以下 10%(控除額9万7500円)
330万円を超え695万円以下 20%(控除額42万7500円)
695万円を超え900万円以下 23%(控除額63万6000円)
900万円を超え1800万円以下 33%(控除額153万6000円)
1800万円を超え4000万円以下 40%(控除額279万6000円)
4000万円超 45%(控除額479万7000円)

この所得税に住民税10%がプラスされると最大のケースでは利益の55%が税金として出て行ってしまいます。また、海外FXによって所得税が増えれば当然ながら国民健康保険料も増えていきますので、節税対策は必須と言えるでしょう。特にハイレバレッジによる多大な利益が見込める海外FXでは課税税率も高くなりがちです。

海外FXにおける納税金額の計算方法

海外FXにおいて納税額の算出方法は以下の計算式で可能です。

納税額の算出方法

課税所得金額 = 個人所得※ - 必要経費
※個人所得とは個人すべての収入を合算したもの

納税額 = (課税所得額×税率)-控除額+復興特別所得税
※復興特別所得税は (課税所得額×税率-控除額)×2.1%で算出

海外FXにおける節税対策

海外FXにおける節税方法にはどのようなものがあるのでしょうか?ここではいくつか節税対策をご紹介します。

1.必要経費の計上はもれなく行うこと

税金の額を減らすには必要経費をもれなく計上して課税される所得を少なくすることが得策です。よって必要経費として認められるものはすべて計上するようにしましょう。この必要経費は海外FXの取引で決済益やスワップ益など収益獲得のためにかかった費用になります。

海外FXにおいて経費と認められるものを以下にまとめてみましたので参考にしてみてください。ただし利用形態によって必要経費として認められない場合があります。もし不明な場合は税理士に相談してみるのもよいでしょう。

必要経費として認められるもの

・取引で使用するパソコン・スマートフォンなどの機器類
・マウスやプリンタなどの周辺機器
・プロバイダ契約やサーバ代などのインターネット通信にかかる費用
・業務に使う机や椅子
・事務所家賃
・水道光熱費
・情報収集にかかる接待交際費
・(海外FXに関する)セミナー参加費
・(海外FXに関する)書籍代
・携帯電話料金
・入出金手数料
・取引手数料 など

この中で注意すべきポイントは事務所家賃や光熱費です。これらも当然海外FXの取引における経費となるのですが、海外FX以外においても使用用途があるとみなされることが多く、家事按分されることになるのが一般的です。たとえば、自宅で海外FXの取引を行う場合、業務での使用が40%、その他通常の生活での使用が60%といった場合です。

領収書や請求書がなくても経費計上は可能

補足となりますが、必要経費であると証明する場合、通常は領収書や請求書が必要です。しかし領収書がもらえなかった、もらい忘れた、また領収書を失くしてしまったといった場合、出金伝票を起こして対応しましょう。この出金伝票には「取引日付」「相手先」「金額」を記載しておきましょう。出金伝票は100円均一で手に入るもので全然問題ありません。出金伝票を起こすのは少々面倒くさい作業ではありますが、1円でも多く節税するためには努力も必要です。

2.所得控除や内部通算による節税対策

海外FXの利益で出た所得を圧縮してくれるものには所得控除があります。所得控除には基礎控除や配偶者控除、扶養控除、医療費控除、雑損控除、社会保険料控除、生命保険料控除などがありますので、控除できるものはすべて行うようにしましょう。

内部通算による節税とは

内部通算とは、同一の所得計算において赤字と黒字を通算すること。同じ雑所得内のものであれば、その年に発生した損失は内部通算が可能となります。そのため同じ年での海外FXの損失と所得は相殺可能ですし、それ以外に雑所得内で損失がある場合も相殺可能となります。

海外FXの損益通算

海外FXの所得における損益は雑所得における総合課税となるため、他の雑所得の範囲内において損益通算することが可能となります。海外FXで利益が出ているのに、別の海外FXのほうでは損失が出た、といったケースでは通算することができるというものです。また、FX以外の雑所得との損益通算も可能なため、たとえばネットオークションや暗号通貨を副業で行っている場合に損失が出た場合でも損益通算できることになります。ただし、海外FXと国内FXとの間で損益通算をすることはできません

まとめ

以上のように海外FXはハイレバレッジな取引により、国内FXよりも大きな利益が出る可能性があります。その結果、所得に対して最大55%(住民税を含む)の税金が課せられるものとなりますので、税金を減らすためにも節税対策をしっかりと行うことが大切です。税金や確定申告についての正しい知識を得た上で、海外FXを行うようにしてみてください。